パンの歴史は、人類の発展とともに広がり、あらゆる歴史の場面にパンがありました。
パンはいつ、どうやって生まれたのか、どのようにして世界にパン文化が広まったのか、世界のパンの歴史について紹介します。
パンが生まれたのはいつ?
「これが我が主体である」とキリストが言ったというパン。
今から1万年以上前、B.C8000年~7000年頃 メソポタミアの古代文明発祥の地で、世界で最初の小麦栽培が開始されたと言われています。その頃は、まだ、粒のまま炒ったり、おかゆにしたりして食べていました。
世界最古のパンとは?
B.C4000年、エジプトで石臼を使って、小麦や大麦を粉に挽いて、小麦せんべいやビールを製造していました。その後、ビール発酵種を小麦に混ぜて、ガレットと呼ばれる薄いせんべい状の平焼きパンを焼くようになりました。
これが、世界最古のパンと言われています。
発酵パンの誕生
B.C5000年、エジプトで、こねたパン生地を放置していたところ、暑さでと野生の酵母菌がついて膨らみ、それを焼いて食べたらおいしかったというのが発酵パンの始まりです。
偶然の産物でした。エジプトではパンが作られていましたが、当時の人々は、神様からの贈り物と、パン作りの技術を他の国には広めなかったそうです。
ギリシャのワイン作りのノウハウでパンの安定生産
B.C1000年、ギリシャがエジプトを占領。穀物の輸入を始めると同時に、パン製法やパン焼き窯なども伝わり、奴隷として連れて行かれたエジプトのパン職人によって、パン作りがギリシャに伝わります。
もともとギリシャはブドウの産地でワイン作りが盛ん。酵母培養のノウハウが合ったので、パンの安定生産にも成功するようになりました。
ローマ帝国の繁栄、キリスト教とともにパン文化が広まる
B.C300年、ローマがギリシャを征服し、ギリシャの奴隷によってパンが焼かれます。この頃、
- パン学校の設立
- パン焼き釜の発明
- 日持ちがよく持ち運べる戦争の兵士用パンの開発
などローマ帝国が繁栄するとともにパン文化が広まります。
さらに、5~15世紀 ローマ帝国滅亡後、中世ヨーロッパでは、キリスト教とともに、パン作りの技術も広がっていきました。パンは教会からの保護を受け、製粉とパンを焼く権利は教会と修道院だけになり、市民は、料金を払ってパン焼き釜を借り、まとめてパンを焼いていました。
ヨーロッパから世界へ広がるパン文化
16世紀:イタリアで始まったルネッサンス期に、パンは世の中に広く浸透し、一般家庭でも作られるようになりました。
フランスパンが広まったのもこの頃。ルイ13世の母がイタリアからフランスのアンリ4世に嫁ぎ、パン職人を連れてきました。イタリアのパンがフランスに伝わり、フランスパンの歴史が始まります。
オーストリアのマリーアントワネットは、フランス国王ルイ16世に嫁ぐ際、お抱えのパン職人とともにクロワッサンやブリオッシュを持ち込んだとも言われます。
同時期に、ドイツでは、ライ麦を使ったドイツパン、イギリスでは、大型の型焼きパンが作られるようになりました。
15~17世紀に大航海時代をむかえ、ヨーロッパから世界中にパンが広まっていきます。あらゆる歴史の場面にパンは欠かせない存在だったんですね。
「ふっくらと焼かれた小麦のパンは人類最大の発明」とある植物学者が言っています。現代では、形や質の違いこそあれ、パンは全世界で広く食されています。
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